第56回勉強会~UI・UX デザインと技術を繋ぐ~(2016/05/17)
本日は「第56回 勉強会 UI/UX~デザインと技術を繋ぐ」というテーマで、株式会社グッドパッチ 執行役員 CTO ひらいさだあき氏をお迎えしての勉強会です。
「張り切って edge の Tシャツを着てきました」というひらいさんから、まずは自己紹介と自社紹介から。
デザインという部分に重きを置いており、「デザインの力を証明する」というのが会社のミッションだそうです。グッドパッチさんの主なプロダクトには「Prott」等が挙げられます。
デザインしていくプロセスにおいて、はじまりはもちろん、「顧客・案件分析」となりますが、そこからチームビルドを行います。
そして開始するときにはキックオフを行い、必ずキーマンを含めたメンバーでブレストをして、Project Map を作成して目的地を絞り込みます。
このキックオフやチームビルドのフェーズでのアイスブレイクのコツなどを伺いながら、プロトタイプの作成に進んでいきます。
ちなみに、このプロトタイプづくりに最適なサービスとして、さきほどの「Prott」があります。写真や手描きの画面デザインを取り込んで、操作性のわかるようなボタンをつけたり、画面遷移の状態を確認するには最適なサービスだそうです。デザイン専門の方ではなくても、自分のアイディアを形にしたい方には、面白そうなサービスです。
プロトタイピングは、インサイトの発見・コンセプトの確認をしあって、要件を確立していきながら、より具体化されたものを目指して設計・デザインを積み重ねていきます。
どんどんデザインと実装が行われ、ブラッシュアップしていくのですが、「Prott」をつかうことで、実装前にユーザーテストも行うことができたりするので、かなり手戻りの少ない効率的なフェーズとなるようです。
そして、改善フェーズへ。繰り返しテストやフィードバックを行い、目的地から逸れないように進んでいくわけです。
Windows女子部は、今回初参加のかたたちも多く、いつものように業種も職種もばらばらです。普段から開発に取り組んでいる立場のひとばかりではないので、自分たちの仕事とおなじところや異なるところ、いろいろおもしろい観点から伺えたのではないかと思います。
さて、では「デザインと技術をつなぐ」ということ。
Why:よいプロダクトをつくりたい
↓
How:早いフェーズでプロジェクトに関わる
↓
What:プロジェクトへの関わり方を見直す
開発エンジニアとなると、要員予算やフェーズの関係上、実装に入るまで関われないというプロダクトも多いそうですが、実装に入ってから UI や UX という観点から手戻りが発生してしまうことなどがあると、その分工数も時間もかかってしまいます。
今回は、その問題を解消し、かつ、はじめからユーザーインタフェイスにそったサービスを作り上げていくために、その開発予定のアプリケーションに関する造詣の深い担当者が、UI / UX デザインの担当として要件定義などから参加し、ぶれない設計計画を組み立てていくという流れが一例として紹介されました。
ちなみに、要件定義とは? というところから解説している、Windows女子部 によるコラムとワークはこちらです。
デザインに関して、現在重要視されているキーワードとしては、
・Progressive Web Apps
・Web Components
が挙がりました。
特に、「Progressive Web Apps」については、いくつもポイントとなる項目があるそうですが、ひらいさんが今回重点をおいて解説してくださったのはこの3点。
- オンラインでもオフラインでも動作する
- エンゲージメント(囲い込み、結びつき)
- インストールできる
そして、プッシュ通知も大きな重点要素のひとつで、プッシュをするかしないか、そしてし過ぎても無視をされたり、設定OFF にされてしまうので、その塩梅を見極めていくなど、かなり大きな分岐要素となるようです。
たとえばひとつのスマートフォンアプリを利用することで、選択肢を他のサービスにまで広げない(たとえば、検索エンジンで「A」を調べて、さまざまなサービスから「A」の情報を選ばせるのではなくて、「A」に特化したサービスアプリから検索してもらうことで、自分たちの提供情報で囲い込み、強く自社サービスを意識させることができますね)、そして通知をどこまで効果的に、ユーザーへの訴求にするかという点などを考えると、サービスの軸もより絞りこまれてくるのかもしれません。
最後に、ひらいさんからデザインに関するお勧めの書籍を伺ったので、ご紹介。
ちなみに、無料で誰でも読める「UX白書(日本語訳版).pdf 」というPDF資料があるそうですので、こちらから学び始めるのも良さそうです。
「自分というユーザー目線」「かっこいいと思うセンス」だけではなくて、「ヒト」という情報統計という根拠を持った目線や、どのような視点や意識からその観点が生まれるのかという情報、使いやすさという結果には、そこに伴う理由があるんだということを改めて考えた勉強会でした。
ひらいさん、本日はありがとうございました!